目的と範囲

台湾積体電路製造(以下、「TSMC」とします)は、人権の尊重と尊厳ある職場環境の構築が極めて重要であると捉え、以下の国際人権基準や規範を支持するとともに、世界各地の拠点所在地の法令を遵守し、すべての従業員を平等に扱い、尊重することを約束します。TSMCの人権に関するポリシーは、すべての管理職および従業員(TSMCに雇用され、業務に従事し、給与または報酬を受け取る者)、関連企業、サプライヤー、請負業者、パートナー(顧客および地域社会)などのステークホルダーに適用するとともに、あらゆる人権侵害をなくすために尽力します。

  • 世界人権宣言(Universal Declaration of Human Rights, UDHR)
  • 国連ビジネスと人権に関する指導原則(United Nations Guiding Principles on Business and Human Rights, UNGPs)
  • 国連グローバル・コンパクトの10原則(United Nations Global Compact, UNGC)
  • 労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言(ILO Declaration on Fundamental Principles and Rights at Work)
  • OECD多国籍企業行動指針(OECD Guidelines for Multinational Enterprises)
  • 責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス(OECD Due Diligence Guidance for Responsible Business Conduct)
  • 責任ある業務提携(RBA)行動規範(Responsible Business Alliance Code of Conduct)
  • 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination Against Women, CEDAW)
  • 女性のエンパワーメント原則(Women's Empowerment Principles, WEPs)
  • 子どもの権利条約(Convention on the Rights of the Child, CRC)
  • 子どもの権利とビジネス原則(UN Children's Rights and Business Principles, CRBP)
  • すべての移住労働者及びその家族の権利の保護に関する条約(The International Convention on the Protection of the Rights of All Migrant Workers and Members of Their Families, ICMW)

人権への取り組み

TSMCは、国連開発計画(United Nations Development Programme, UNDP)が提唱するビジネスにおける人権リスクを参照し、労働者の権利、環境に対する権利、表現と参加、ジェンダー平等、サービスと製造物責任、ガバナンスと安全という6大分野について、TSMCとその関連企業、サプライヤー、請負業者、パートナー(顧客、地域社会)などの人権に関連する問題を管理します。

労働者の権利

TSMCは、あらゆる形態での児童労働、人身売買、強制労働を禁じ、適用されるすべての賃金および労働時間に関する法令を遵守します。労働時間は、現地の法令で規定されている1日の労働時間の上限を超えないものと定め、週60時間を超えてはならず(緊急あるいは特殊な状況を除く)、また、7日を超えて連続勤務してはなりません。公正な生活賃金を期日通りに支払い、法令を順守した勤怠管理システム、および安全で健康的な労働環境を提供し、TSMCの事業所で働くすべての従業員が、等しく適切な安全衛生教育を受けることができ、心身の健康およびワークライフバランスの維持ができるよう支援・援助します。

TSMCは、国籍、人種・種族、階級、言語、思想、宗教、党派、本籍、出生地、性別、性的指向、年齢、婚姻、外見、顔立ち、心身の障がい者にかかわらず、平等な労働の権利を保障し、不当な差別を排除し、かつ、採用や昇進などの均等な雇用の機会を確保し、多様で包括的な職場環境を構築します。

環境に関する権利

TSMCは、気候・エネルギー、水管理、資源リサイクル、汚染防止などの分野で、革新的な技術をグリーン・マニュファクチャリングに応用し、環境保護を強化するための持続可能な行動をあらゆる側面から推進し、環境保護とエネルギー効率に関する国内外の規制や基準を遵守、またはそれを上回る成果を上げています。また、水生および陸上の生態系を積極的に保護し、ステークホルダーと協力し、自社の事業とバリューチェーンにおける環境負荷を最小限に抑え、生物多様性を保全することに取り組みます。

TSMCは、『経済協力開発機構(Organization for Economic Cooperation and Development, OECD)』の「責任ある鉱産資源調達に関する」規定を遵守し、紛争鉱物の調達を避け、鉱物が産出される地域の人権、健康、環境が侵害されないよう保護します。

表現と参加

TSMCは、すべての従業員の表現と参加の自由を尊重し、いかなる干渉や制限によっても、その正当な権利行使を妨げないことを約束するとともに、内外のステークホルダーに対して、プライバシーの保護に基づいた、多様で開かれた双方向のコミュニケーション・チャンネルを提供します。

ジェンダーの平等

TSMCは、性別や性的指向による待遇の違いをなくし、同一労働に対する賃金の違いをなくすことで、ハラスメントゼロ、差別のない職場環境を構築します。

サービスと製造物責任

TSMCは、技術の研究開発、ウエハの製造、テストプロセスをトータルに構築し、人体の健康と環境に対する危険を防止し、情報セキュリティと機密情報の保護のための仕組みを構築し、顧客のビジネス情報、および個人情報を保護します。

ガバナンスと安全

TSMCは、人権を搾取するいかなる政策や行為からも利益を得ず、通報・申立て処理メカニズムが効果的に機能するよう尽力することを約束します。このほか、TSMCの作業エリアには適切な防護設備や安全施設を設置し、関係者の作業の安全を守ります。

マネジメント方針

人権ガバナンス体制

TSMCは、取締役会を最高レベルとする人権ガバナンス体制を構築し、「ESG委員会」が設立する、顧客サービス、企業の持続可能性、環境保護、安全衛生、ヒューマンリソース、情報技術、企業情報セキュリティ、資材管理、法務、運営、品質と信頼性、研究開発などの機能別組織を含む部門横断型の人権作業部門により、人権マネジメントの実践を系統的かつ効果的に推進します。また、「ESG委員会」に対し定期的に進捗状況を報告するほか、四半期ごとに「ESG委員会」の委員長から取締役会管轄下の「コーポレート・ガバナンス・サステナビリティ委員会」に対し、人権マネジメントの実践状況や実施成果を報告します。

デュー・ディリジェンス

TSMCは、『責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス(OECD Due Diligence Guidance for Responsible Business Conduct)』のデュー・ディリジェンス・プロセスに従い、責任ある企業行動を企業方針と管理システムに組み込み、定期的にリスクを特定、評価し、予防・軽減措置と追跡調査を推進します。

教育訓練と広報

TSMCは、人権保護研修プログラムを作成し、人権の概念とその重要性、誰もがアクセス可能な申立てチャンネルを周知するとともに、人権侵害の管理・予防・是正するための関連措置を講じ、人権を尊重する意識や文化を構築します。

通報・申立てチャネル

TSMCは、充分に整った通報・申立てチャンネルやコミュニケーションを確立し、通報者・申立者の安全の保護に全力を尽くします。従業員が人権を侵害している可能性がある事実を発見した場合は、匿名での通報、または、その他のさまざまなコミュニケーション手段を通して、その事実をTSMCにフィードバック、または人権侵害の疑いを報告することができ、会社はそれに対応する手続きを開始します。

救済メカニズム

TSMCが人権侵害事件を引き起こした、またはその一因となったことが確認された場合、TSMCは、その事件の種類に応じた救済措置を開始するとともに、必要に応じて、関連するステークホルダーと協力して再発を防止します。

コミュニケーションと開示

TSMCは、顕著な人権問題によって影響を受ける当事者を特定し、確固たる信頼関係を構築します。また、多様で開かれた双方向のコミュニケーションチャネルを通じてステークホルダーの意見に耳を傾けるとともに、ESGウェブサイトやサステナビリティ・レポート、人権報告書において、人権マネジメントの目的、行動、実績、進捗状況を定期的に開示します。

 

代表取締役